カメラのレンズに取り付けて使用するフィルターの一種に「PL(偏光)フィルター」というフィルターがあります。カメラの偏光フィルターは、CPフィルター、C-PLフィルター、PLフィルターなど様々な名称が存在しますが、一括りにすると全て「偏光フィルター」にカテゴライズされます。
反射光を制御し、色鮮やかな写真を実現するこのフィルター。しかし、どのような効果があるのか、正しい使い方や、どんなシーンで活躍するのか、多くの人が完全に理解しているとは限りません。この記事では、PLフィルターの基本から、その活用方法までを詳細に解説します。
PLフィルターとは?
PLフィルターとは、偏光フィルターのことで、光の偏光を利用して不要な反射光をカットする撮影用フィルターです。
主にガラスや水面などからの反射を抑え、空や植物が持つ自然な色彩を鮮やかに捉えるために用います。
一般的には円偏光フィルター(CPL)と呼ばれ、レンズに取り付けて使用することが多いです。ほかのフィルターと組み合わせることも可能で、撮りたいシーンや被写体に応じて使い分けが行えます。
PLフィルターの効果
PLフィルターの最大の効果は、不要な反射やギラつきを抑えることにあります。
具体的には、水面の反射を取り除くことで澄んだ水中を撮影することや、ガラス越しの撮影で映り込みをなくすことが可能です。
また、空の青さを際立たせたり、植物の葉の色をより自然に表現したりできるため、風景写真には特に重宝されます。
さらに、PLフィルターはコントラストの向上や色の飽和度を高める効果もあり、写真全体のクオリティを高めることができます。
▼フィルターなし
▼PLフィルターあり(水面の反射がなくなり空の写り込みが綺麗に入っている)
PLフィルターの使い方
PLフィルターの使い方は、まずレンズの前面にフィルターを取り付けます。その後、フィルターを回転させながら実際の効果をファインダーや液晶モニターで確かめます。最適な効果が得られた位置でフィルターを固定し、撮影を行います。
効果の強度は回転させる角度によって調整が可能なため、撮影シーンに合わせて微調整を行うことが大切です。使用する際は、光の方向や反射の状況を考慮して、最良の結果を導き出さなければなりません。
PLフィルターの活用シーン
PLフィルターは、特に屋外での風景撮影で威力を発揮します。例えば、水辺の風景では水面の反射を抑え、水底の石や生物を鮮明に捉えることができます。
また、山や森林では空の青や植物の緑をより美しく表現し、ダイナミックな景色を演出することが可能です。
さらに、車や建物のガラスでの撮影時に映り込みを防ぎたい場合にも絶大な効果を発揮します。
このようにPLフィルターは多彩なシーンで利用価値が高く、撮影者の表現を広げるための強力なツールとなります。
PLフィルターの寿命、経年劣化はする?
PLフィルターもまた、他の物品と同様に経年劣化が発生します。フィルター表面のコーティングが剥がれたり、かすみが生じたりすることがあります。これにより、撮影画質が低下したり、本来の効果を得られなくなったりすることがあります。
保管状況により寿命にも影響が出ます。直射日光や高温多湿の場所を避け、専用のケースに入れて保管することで劣化を遅らせることができるでしょう。定期的に状態を確認し、必要に応じて交換を行うことで常に最高の撮影環境を保つことが肝心です。
後処理ソフトウェアで偏光フィルターの効果を再現することは難しい
フィルターなんか使わなくてもフォトショップで編集すればなんとかなるんじゃないの?と思う方もいらっしゃるでしょうが、実際に偏光フィルターの効果を後処理で再現することは至難の技だと言えるでしょう。
そもそも反射して写っていないものを後から写すことは不可能と言え、いくら編集技術が発達しているとはいえ、完璧に編集で誤魔化すことは難しいと言えます。
まとめ
PLフィルターは普段とっている写真のレベルを一段上げてくれる可能性のある強力なツールになり得ます。
PolarProの偏光フィルターは「CPフィルター」というカテゴリで展開されています。
何か撮影データに満足できないと感じている方は、高品質なPL(偏光)フィルターの導入も検討する価値があるでしょう。