ユーザーインタビュー - Vol.5 BLUE Project 代表 青木 孝人 氏

ユーザーインタビュー - Vol.5
BLUE Project 代表 青木 孝人 氏

本シリーズはドローン・カメラを活用するクリエイター/ビジネス事業者の生の声をお届けするインタビュー企画です。

第五回は、測量、調査から物流領域まで幅広くドローン事業を行うBLUE Project 代表 青木孝人 氏にドローンを使用するに至ったバックグラウンドやそのメリット、使用機材などについてインタビューさせて頂きました。

 

■まずは自己紹介を簡単にお願いします。

青木孝人と申します。 個人でBLUE Projectという屋号を掲げてドローン事業を行なっています。
事業内容は特定のものにフォーカスしておらず、ドローンという物を使ってできること全般の事業を行なっています。測量からプロモーション企画や制作、国産機のテストパイロット、河川・気象の調査やドローンでの物流まで、幅広く業務を行っています。
特に物流は拡大しそうな事業だと感じており、現在は株式会社NEXT DELIVERY(※1)で宅配ドローンの運行チームリーダーをやらせていただいています。
私の職業はドローンパイロットなので、ドローンを飛ばすという仕事がメインで、あとはそれに付加価値をつける形で業務を行っています。

経歴をお話ししますと、社会人としてのスタートは、航空機関係の部品などを取り扱う会社で営業兼マネージメントをしていました。その様な日常の業務の中で、もっと会社や社会に貢献できる新たな仕事がないものかと常々考えているときにドローンとの出会いがありました。
ドローンにカメラを付けて飛ばすことで付加価値が付いたデータを取得できるのではないかと可能性を見出したのです。

その後、個人事業主としてBLUE projectを立ち上げたのが2018年。世間的にドローンの仕事が出始めている頃だったこともあり、そのタイミングでドローン事業に参入しました。
元々カメラも触っていたり、ラジコンもちょっとだけいじったりしていたので、アンテナは張っていたのでしょうね。
元営業だったこともあり喋ることが苦ではなかったので、そのスキルを活かして事業を開始して1年ぐらいかけてお客さんを徐々に増やすことができました。

…経歴を振り返りましたが、特に華やかなバックボーンがあるわけではなく、世の中を見据えて、流れに沿って無我夢中でドローンを飛ばしていたら今の私になったということですかね。

※1…産業用ドローンの開発や事業を行う株式会社エアロネクストの子会社。

 

■ドローンをはじめたきっかけを教えてください。

一番は、社会貢献をしたかったというところが大きいです。
以前、ヘリコプターにカメラを付けて飛ばしていた人を見て、なるほどこれは価値があるのではないかと思い、それをドローンでやってみようと思ったのがきっかけです。
AIや画像処理という点はこれから伸びていく分野で、ビジネスの幅も広がるのではないかと思いましたし、それこそが人の役に立てるのではないかと感じました。
元々航空機関係の仕事をしていたこともあり、データの価値が資産になるということを肌感で分かっていました。
たとえば災害や不具合が起こったときに、これまでbeforeデータがなくて、復旧や修理ができないということが多かったんです。beforeの映像や画像があれば、after(災害後や故障後)と見比べるということができるじゃないですか。そういった“before”を残す事業がこれから価値あるものになるのではないかと思ったわけです。それにドローンがトッピングされていった形ですね。
現在ようやくデータの価値というところが認識され始めましたが、なかなか世間に浸透していないのが現状です。
たとえば昨年の伊豆の災害(※2)でもそうでしたが、前はどういう状態であったかというものが全くなく、それだと家や町の復旧もできないわけです。
ただ先ほども言った通り、beforeを撮っておかなければいけないという意識がようやく生まれ出しているところなので、データの資産価値が注目されるのはこれからなのかなと感じてはいます。

※2…2021年に起こった熱海市伊豆山土石流災害のこと。

 

■ドローンを使用している業務はなんですか?

様々な業務をさせていただいていますが、今はACSLなどの国産機のテストパイロットとしての割合が多いですね。
テストパイロットとして行う業務は、風洞試験としてドローンをずらっと並べたところで飛行を行ったり、NEDO(※3)の実証実験レベルの機体を飛ばしたりといった内容です。
ヘリコプターに向かって機体を飛ばして、センサーが正常に回避・制止するかどうか試すこともあります。もちろん実証実験レベルなので、正常に止まらない場合もあります。そういう場合は手動で回避しなければならないので、操縦技術が求められます。そのため、どんなアクシデントにも対応できるよう基本的に操縦の練習は日頃から行なっています。安全の担保は何かと考えたときに、機体の性能——障害物センサーやゴーホーム機能など——もありますが、やっぱり最終的には自分の手(操縦)だなと感じているので。ただしそれは終着点ではなく、全て自動化で行えるようにするのがゴールだと思います。

あとは、AirTruck(※4)のパイロット業務も今のところ高い割合で行なっています。これは物流としての業務で使用しているドローンです。
このAirTruckは、スーパーやコンビニまで1時間くらいかけて行かなくてはならない過疎化した地域に無理やりドローンで物を運ぶのではなく、町の中にひとつ小さな商店を作って、その距離間の中で配送手段としてドローンを使って運ぶサービス「SkyHub」を展開しています。
ちなみに山梨県の小菅村がロールモデルになっていて、実際に小菅村では有償サービスとして、すでにこのドローン配送サービスがはじまっています。
現在は色々な自治体から、うちでも是非やってほしいという声を多くいただいているようです。

※3…国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の略称。
※4…ACSLとエアロネクストが共同開発した物流専用ドローン。

AirTruck

 

■ドローンの使用により、それらの業務はどのように良くなりましたか?

今となっては当たり前に思われているかもしれませんが、改めて言いたいことは、ドローンを使用することにより、効率が圧倒的に良くなったということです。
一例を挙げるとすれば、橋の点検での業務です。今までは足場を立てて、それから点検業務に取り掛かっていました。それがまずはドローンを飛ばして画像を撮り、確認の段階で「ここの塗装はまだ大丈夫」といった認識を持つことができます。そうすると、そこには足場は要らないという判断ができて足場の削減ができるんです。
誰でも簡単に飛ばせて、人が行けないところの情報を取ってくることができる状態になりつつある、というのは産業として伸びる芽ですよね。いいことだと思っています。

 

■主な使用ドローンはなんですか?

前述した通り、物流用のドローンのAirTruckの使用が今は多いです。
あとは用途に応じてInspire 2やPhantom 4 Pro、Mavic2シリーズ、Matrice 300 RTKなどDJIの機体も用途にあわせて使い分けています。正直、どんな機体でも使おうと思えば使えると思いますね(笑)。
あとはお客さんの要求するものに応えて対応するので、M300+H20T(※5)を使用したり、PF-2(※6)にソニーのα7R Ⅳシリーズを搭載して飛行させたり、本当にさまざまです。PhaseOne(※5)を載せることもありますしね。

…なんて色々言いましたが、個人的に一番好きな機体は結局Inspire 2です(笑)。

※5…Matrice 300 RTK専用の広角/ズーム/赤外線がひとつになったカメラ。
※6…ACSL製の産業用ドローン。用途に合わせてカスタマイズができるという特徴を持つ。
※7…デンマークに本社を置くカメラメーカー。1億5100万画素などの高解像度カメラを製造する。

AirTruck

 

■上記を使用する理由やお気に入りポイントを教えてください

Inspire 2はシンプルに格好いいですよね。ランディングギアが上がっていく様子がめちゃくちゃいい(笑)。あと、RAWで撮影ができるところが本当に便利です。他社製品でもRAWに変換はできるのですが一手間かかるので、やっぱりInspire 2がお気に入りですね。
AirTruckに関しては、物流機としてはこの機体に並ぶものは国内でないんじゃないですか。
今後全国で飛び回ると断言してもいいです。

 

■主な使用周辺機器はありますか?もしあればおすすめやお気に入りを教えてください。

PC、動画編集ではAdobe Creative Cloudのソフト、あとPIX4D(※8)などを使っています。
現場に出ることが多いので、それなりのスペックのPCを持って行って、それなりのソフトを使って、現場で確認をすることが重要なんです。

2019年の台風19号の後のことですが、被害の大きかった東北で崩れた現場を測量していくという仕事がありました。測量会社が標定点を置いて地上の測量を行い、そのあとに私たちが自動飛行でドローンを飛ばしていくのですが、きちんとオルソ画像や3D点群ができるかということを高速処理してその場で確認しないといけないわけです。でないと、また現場まで行かなくてはならないですからね。
あとは4k出力ができたり色味が濁らなかったりするいいモニターも持って行きます。映像をその場で確認する・処理がきちんとできるかを確認することが必要なので、ドローンとPC/ソフトというのはセットなのかなと思っています。

※8…PIX4D社(スイス本社)が開発した3次元点群データからオルソモザイク画像などを効率的に自動作成するSfM(Structure from Motion)ソフトウェア。

 

■将来のドローンや周辺機器に期待することはありますか?

これからドローンパイロットが国家試験になろうとしていますが、2022年5月現在、レベル4(※9)が承認される機体って、まだないんですよ。
ただ飛ばすだけでなく、いかに安全に、かつ要領良く飛ばせるかというところに重要性を感じているので、そこをクリアしたレベル3・4の機体がもっと簡単に飛べるようになると、空を見上げたときにドローンがいっぱい飛んでいるような世の中になっているのかなと思いますね。
そこを皮切りに、はじめて人を乗せるドローン——ドローンタクシーとか出てくるのではないかと思っています。正直、そういうのが出てくるのはまだまだ先だと思いますね。僕が死んだ後とかなんじゃないかな(笑)。
だからこそレベル4の承認される機体が出てきた時に、もっと産業が活性化するのではないかと思っています。そんな未来が来るのを待ち遠しく思っていますし、その中でドローンパイロットという職業がもっともっと増えていくという世の中を望んでいます。

※9…有人地帯での補助者なし目視外飛行。

 

BLUE Project 代表 青木孝人

BLUE Project 代表 青木孝人

2000時間近く操縦経験を持つドローンパイロット。サラリーマンを経て、個人事業のBLUE Projectを立ち上げ、空撮や測量、物流などあらゆるドローン事業に携わる。国産メーカー社会貢献を掲げ、ドローンの発展と可能性を信じ、全国を飛び回る。

BLUE Project HP:https://blue-p.info/




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