可変NDフィルターとは?濃度が変化する仕組みと固定濃度のNDフィルターと比べたメリット・デメリットを解説

写真や動画撮影で用いられるNDフィルターには、固定濃度のものと異なり、濃度の度合いをフィルターを回転させることで調整可能な「可変NDフィルター」があります。

英語では可変を意味する「Variable」から、「Variable ND」や「VND」という名称で表されることもあります。

この記事では、可変式NDフィルターの特性、その仕組み、そして固定式と比較した時の利点と欠点について詳しく解説していきます。

 

可変NDフィルターとは?

可変NDフィルターは、光量を調節するためのアクセサリーで、レンズの先端に装着して使用します。働きとしては、固定式NDフィルターと同じく、減光効果により特定の撮影条件下で適切な露出を得るために役立ちます。

普通のNDフィルターは固定の濃度しか持ちませんが、可変NDフィルターは回転させることで濃度を自在に変更できるため、より多様な撮影環境に対応が可能になることが特徴です。

屋内、屋外両方で撮影を行う場合や、短時間でいくつもの撮影ロケーションをまたいで撮影を行う場合、日中から日没まで撮影を行う場合など、撮影環境の明るさは一定ではない事が多々あります。そんな時にNDフィルターをいちいち付け替えていてはスムーズな撮影が行えません。

こういう場合に役に立つのが、フィルターの付け替えが入らず、一瞬で濃度を変化させることが出来る可変NDフィルターなのです。

 

可変NDフィルターはどういう仕組みで濃度が変化するのか

可変NDフィルターの濃度が変化する仕組みは、二枚の偏光板が原理となっています。

PLフィルターが2枚重なったような構造になっており、これらのフィルターの一枚目は光の偏光方向を変え、二枚目はその光を可変させ、通過する光量を調節します。

フィルターを回転させると偏光板の角度が変わり、光の通過量が増減します。その結果、撮影者が求める濃度に応じて、減光効果を細かく調整できるのです。

 

可変NDフィルターのメリット

可変NDフィルター最大のメリットは、先述の通り、フィルターの付け替えが入らず、一瞬で濃度を変化させ撮影中の光量の変化に迅速に対応できる点が最大の強みです。

いくつもの固定NDフィルターを持ち歩く必要がなく、一つの可変NDフィルターで多くの撮影環境に対応できます。

重量やスペースの削減は重要な利点であり、特に旅行やロケ撮影で持ち運べる機材の量に制限があり機動性が求められる場合に非常に有益です。

 

可変NDフィルターのデメリット

そんな便利な可変NDフィルターですが、固定式NDがなくならないのは便利さと引き換えにいくつかデメリットがあるためです。

可変NDのデメリットとしてまず挙げられるのは、偏光板を使用しているため、画質に影響を及ぼすことがある、ということ。

特に、最大濃度に近づけると「Xパターン」と呼ばれる不均一な暗さがムラとして現れることがあります。また、四隅の光量が落ちる「ケラれ」も発生する事があります。これは広角レンズで発生しやすく、また品質の低い可変NDで顕著に現れます。

光学性能の低下や色彩の変化も、注意が必要なポイントです。

また、価格が固定型に比べて高めであり、高品質のものを選ぼうとするとさらにコストがかかることもデメリットとして挙げられます。

 

可変NDフィルターの選び方

適切な可変NDフィルターを選ぶ際は、「サイズ(フィルター径)」と「可変濃度」に注目しましょう。

例えば、PolarProの可変NDフィルターではサイズと可変濃度は以下のバリエーションが用意されています。

  • サイズ:67mm/77mm/82mm/95mmの4バリエーション
  • 可変濃度:2~5stop(ND4~ND32)/6~9stop(ND64~ND512)の2バリエーション

使用するレンズのフィルター径は、一般的にレンズ先端付近に直径を表す記号である「φ〇〇」といった表示で印字されています。下の写真のようにφ77であれば77mm口径のフィルターが直接装着できます。

直接装着できない場合は、「ステップアップリング/ステップダウンリング」を使用してフィルターの口径に合うようにすることで、好みのレンズに好みのフィルターを装着できるようになります。

なお、ステップアップリング等によりレンズとフィルターの距離が大きくなるとケラれが発生しやすいなどの弊害もあるため、あまりにもサイズに差がある場合は無理やり変換するのではなく新しくサイズの合うフィルターを購入することをおすすめします。

また最近では、一般的なねじ込み式で装着するフィルターではなく、マグネットでワンタッチで脱着できるタイプのフィルターも多くなっています。

基本的にこうしたマグネット式フィルターは独自規格になるため、レンズとフィルターの間に専用のアダプターを装着する必要があります。

サイズや濃度に加えて、光透過率や色再現性に優れた高品質なフィルターを選ぶことで、画質を損なわない撮影を実現できます。

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