ユーザーインタビュー Vol.2 fly株式会社 CEO 船津 宏樹 氏

ユーザーインタビュー - Vol.2
fly株式会社 CEO 船津 宏樹 氏

本シリーズはドローン・カメラを活用するクリエイター/ビジネス事業者の生の声をお届けするインタビュー企画です。

第二回は、fly株式会社CEOの船津宏樹氏にドローンを使用した業務を行うに至ったバックグラウンドやそのメリット、使用機材などについてインタビューさせて頂きました。

 

■まずは自己紹介を簡単にお願いします。

はじめまして、fly株式会社の船津と申します。
来歴をお話しますと、2009年にWeb会議システムの開発から販売までを行う株式会社ブイキューブという会社に新卒で入社をしました。そして5年後には、大阪営業所長および関西・中四国の責任者を務めるようになりました。
当時、ブイキューブのWeb会議アプリにつなぐ端末として使えるものはないか?というところから、ウェアラブルな端末や、遠隔で操作できるロボットなど様々なものの組み合わせを試していて、その中のひとつにドローンがありました。それがドローンとの出会いです。


その後、ドローンとWeb会議アプリを組み合わせると災害対策や遠隔の目視点検に使えるのではないかということで、ドローン専用ソフトを作る会社として、ブイキューブからスピンアウトした「ブイキューブロボティクスジャパン」(現在の「株式会社センシンロボティクス」)を立ち上げました。僕はそこの営業取締役として入り、機体販売とセットで、ドローンの映像伝送をリアルタイムに遠隔地・多拠点で確認ができるというサービスの開発を行いました。


しかしそこから、ドローンの映像を見るだけでなく、自動で飛ばしてデータを取り、さらにそれを解析までできなければ産業用途では使ってもらえないことが分かってきました。そのため徐々に自動航行やデータ管理をするソフトの開発に力を入れていき、そうして今のセンシンロボティクスの形になったという経緯があります。

昨今、産業用途でドローンが使われるようになってきましたが、僕自身としてはドローン業界自体をもっと大きくするような動きをしたいという思いがあります。
というのも、国内のドローン業界は、年配の方が多く参入されていて優秀な人材が多いですが、逆に若い世代が少ないように思うんです。それはつまり、新しくチャレンジしにくい・新しい人達が入ってきにくい業界でもあるのかなと。そのため、若い方に興味を持ってもらうためにも、もっとエンターテイメント・教育に力を入れたいと思い、2020年12月にfly株式会社を設立しました。
そこでは産業、空撮、教育、コンサルティングなど様々な業務を請け負っております。


楽しそうなことをどんどんやってきた結果こうなりました。趣味なのか仕事なのかって周りにもよく突っ込まれますけど(笑)。

 

■ドローンをはじめたきっかけを教えてください。

もともと新しいものが好きなので、ブイキューブ時代にタブレットでWeb会議ができる方法を考えていて、色々と試していました。そんな中、Web会議の使い方が2015年頃から「会議室と会議室」を繋いでの利用ではなく、「現場と会議室」ということが増えてきたんです。そこで前述した通り、ウェアラブルカメラやドローンに目を付けたのがはじまりでした。


当時のドローンというのはGoProを載せて飛ばすものだったので、僕らのWeb会議アプリにドローンの映像をどうやって引っ張れるだろうかと考えていました。そんな時、DJIからInspire 1が発売されたんですよ。そのプロポにHDMI出力端子がついていたので、これならHDMIポートからInspire 1の映像をWeb会議のアプリを通して遠隔地に配信できるのではないかと考え、ドローンをやってみようと試みたのがきっかけですね。

 

■ドローンを使用している業務はなんですか?

fly株式会社では、空撮プロダクションとして空撮や映像制作を行ったり、ドローンと動画編集とプログラミングを組み合わせた教育を行ったりしています。たとえば、短期ではありますが私立の中学校や高校で、作ったプログラムを学んでもらう課外授業などをしています。
業務の割合としては、空撮:4、コンサルティング:3、教育:3ぐらいの割合でしょうか。


先日は佐賀の嬉野温泉で、親子向けにプログラミングと動画編集とドローンを学べる2泊3日の塾を開きました。夜にはライトアップした9機のRobomaster TT(※1)を音楽に合わせて飛行させるミニドローンショーをやり、ご参加いただいた方々に大変好評でした。
こんな風に子どもたちがドローンに触れる機会を増やしていけたらいいなと思っています。

※1…DJI Educationから開発されたプログラミング学習などが可能な教育特化型ドローン。

 

■ドローンの使用により、それらの業務はどのように良くなりましたか?

産業面で言いますと、圧倒的に時間の短縮化ができたのが大きいです。最近は特に機体の性能も上がり、伝送距離が伸びたことによって以前の倍ほどのスピードで撮影ができるので、非常に効率が良くなったと感じています。

 

■主な使用ドローンはなんですか?

空撮に関しては、DJIの Inspire 2やMavic 3がメインです。
先日SONYのAirpeak S1も購入したので、これからどんどん使っていきたいと思っています。業務利用はまだしていないのですが、近々使用予定があるので楽しみにしています。Airpeak S1は、α(アルファ)(※2)を載せられるので、映像制作やライブ撮影をする人からすると魅力的ですよね。

※2…ソニーの一眼レフカメラ/ミラーレス一眼カメラブシリーズランド。フルサイズα7シリーズや最新のα1シリーズなど展開し、世界中にファンを持つ。

また、教育に関しては、DJI Mini 2やTello EDU、RoboMaster TTといったプログラミング用のドローンを使用しており、点検に関しては、鉄塔や工場内の点検などが多いためMatrice 300 RTKを使用しています。
また産業に関してはその他、VFR株式会社(※3)の手伝いもしていて、エンタメ寄りの事業もしています。Wingcopter(※4)で、コテージに指輪を届けるサプライズとか(笑)。

※3…ドローンの製造、販売、ソフトウェアの開発などドローン事業に特化したVAIO株式会社の子会社。
※4…ドイツに拠点を置きドローンハードウェア製造やソリューションを展開するメーカー。特許技術である独特なティルトローター機構を採用した物流向け固定翼型VTOLで知られる。

 

■上記を使用する理由やお気に入りポイントを教えてください

Mavic 3は映像伝送距離が長いところが素晴らしいと思っています。
たとえば鉄塔の撮影の際、これまでMavic 2を使用していて、鉄塔間で離れてしまうと電波が切れるケースが多かったんです。やっぱり森林も多いですし、木に影ができて通信が届かなくなる、ということが割とありました。
ですがMavic 3は3、4棟先――距離でいうと800メートルぐらいですかね、そのぐらい離れて撮っても映像伝送が全く乱れなかったので、そこはもうさすがだなと思いました。
効率よく撮影ができるので、これまでの倍ぐらいは撮影できるようになりましたね。

 

■主な使用周辺機器はありますか?もしあればおすすめやお気に入りを教えてください。

モニターとワイヤレス映像伝送機器は必ず持参していきます。
また、iPad(11インチ)は必需品ですね。飛行計画や企画書などは全てデータ化し、iPadに入れています。ペーパーレスにすることによって持ち物を減らせるのでおすすめです。
ほかにも機器ではないのですが、肩掛けのバッグを愛用していて、現場には必ず持って行きますね。こちらも持ち物が多い現場において、バッテリーやSDカードなど細々したものを全て入れて、紛失や忘れ物がないようにしています。

モニター(Blackmagic HP): https://www.blackmagicdesign.com/jp/products#video-audio-monitoring
ワイヤレス映像伝送機器(Hollyland HP): https://www.hollyland-tech.com/detail-mars400spro

 

■将来のドローンや周辺機器に期待することはありますか?

あったらいいなと思っているものなのですが、ウェアラブルみたいなもので連動してくれるサングラスとかあるといいなと思います。実際現場だと、サングラスやらインカムやら色々なものを付けなきゃいけないので。
そのサングラスないしはゴーグルを装着したら、インカムみたいに色んな人と直接やり取りできたり、撮った映像がそのままレンズに映し出されて確認できたり、全部いっぺんにできたらいいのにって思っています。(笑)

 

fly株式会社 CEO 船津 宏樹

大学卒業後からシステム系やドローン事業を行う企業を経て、2020年にドローンの空撮プロダクションfly株式会社を設立。そこでは映像制作をはじめ産業業務や教育、コンサルティングなどに携わり、業界の第一線で活躍する。中でも新しい世代のドローン参入を後押しし、今後のドローン界の発展を目指す。

fly株式会社 HP:https://teamfly.jp/
Youtube:https://www.youtube.com/c/HirokiFunatsu/featured

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