ND番号と減光段数の対応、シャッタースピードの基準、撮影シーンごとの必要な濃さを1ページにまとめました。撮影条件を選ぶと、必要な段数とおすすめのND番号がすぐ分かります。

撮影条件からND番号を出す

明るさ・絞り・ISO・目標シャッタースピードの4つを選んでください。

明るさはEV値(ISO100基準)をもとに計算しています。実際の露出はレンズや被写体の反射率で前後するため、目安として使い、最終的にはカメラの露出計で合わせてください。

ND番号・減光段数・光学濃度の対応表

同じ濃さのフィルターでも、メーカーによって「ND8」「3ストップ」「ND0.9」と表記が分かれます。この3つはすべて同じ濃さです。

ND番号 減光段数 光学濃度 透過率 濃さの目安
ND2 1段 ND0.3 50%
ND4 2段 ND0.6 25%
ND8 3段 ND0.9 12.5%
ND16 4段 ND1.2 6.25%
ND32 5段 ND1.5 3.1%
ND64 6段 ND1.8 1.6%
ND128 7段 ND2.1 0.78%
ND256 8段 ND2.4 0.39%
ND512 9段 ND2.7 0.20%
ND1000 10段 ND3.0 0.10%
ND2000 11段 ND3.3 0.05%
ND4000 12段 ND3.6 0.024%
ND64000 16段 ND4.8 0.0015%
ND1000は厳密には1/1024、ND2000は1/2048です。光学濃度は段数×0.3で求められます。

動画の基準シャッタースピード(180度ルール)

動画では、フレームレートの2倍の分母にあたるシャッタースピードが自然な残像量になります。この値を固定したまま明るさを合わせる役割がNDフィルターです。

フレームレート 基準シャッタースピード 実機での設定値 1/50秒を基準にした補正
24fps 1/48秒 1/48 または 1/50 基準
25fps 1/50秒 1/50 基準
30fps 1/60秒 1/60 ND −0.3段
50fps 1/100秒 1/100 ND −1段
60fps 1/120秒 1/120 または 1/125 ND −1.3段
120fps 1/240秒 1/240 または 1/250 ND −2.3段
240fps 1/480秒 1/500 ND −3.3段

シーンと絞りから選ぶ早見表

ISO100・シャッタースピード1/50秒(24〜25fps)を前提にした必要ND番号です。撮影現場でぱっと確認する用に使ってください。

絞り 快晴・真昼 晴れ 曇り 厚い曇り・日陰 日没前後
F2.8 ND64〜128約6.4段 ND32〜64約5.4段 ND16〜32約4.4段 ND8〜16約3.4段 ND4〜8約2.4段
F4 ND32〜64約5.4段 ND16〜32約4.4段 ND8〜16約3.4段 ND4〜8約2.4段 ND2〜4約1.4段
F5.6 ND16〜32約4.4段 ND8〜16約3.4段 ND4〜8約2.4段 ND2〜4約1.4段 NDなし約0.4段
F8 ND8〜16約3.4段 ND4〜8約2.4段 ND2〜4約1.4段 NDなし約0.4段 NDなし
F11 ND4〜8約2.4段 ND2〜4約1.4段 NDなし約0.4段 NDなし NDなし
F16 ND2〜4約1.4段 NDなし約0.4段 NDなし NDなし NDなし
色を付けたセルは、動画で使用頻度の高い組み合わせです。

ISO感度とフレームレートによる補正

上の早見表はISO100・1/50秒が前提です。条件が違う場合は、次の分だけND番号を上下させてください。1段ごとにND番号は2倍になります。

条件 補正 ND番号の動き
ISO 50 −1段 ND32 → ND16 に下げる
ISO 200 +1段 ND32 → ND64 に上げる
ISO 400 +2段 ND32 → ND128 に上げる
ISO 800 +3段 ND32 → ND256 に上げる
30fps(1/60秒) −0.3段 ほぼ変更不要
60fps(1/120秒) −1.3段 ND32 → ND16 前後に下げる
120fps(1/240秒) −2.3段 ND32 → ND8 前後に下げる

長秒露光の換算表

風景写真で水や雲を流す場合の目安です。NDなしで測ったシャッタースピードを起点に、装着後の露光時間を読み取ります。

NDなしのシャッタースピード ND8(3段) ND64(6段) ND1000(10段)
1/500秒 1/60秒 1/8秒 2秒
1/125秒 1/15秒 1/2秒 8秒
1/60秒 1/8秒 1秒 16秒
1/15秒 1/2秒 4秒 約1分
1/4秒 2秒 16秒 約4分
30秒を超える場合はバルブ撮影になります。長秒時はファインダーからの光漏れにも注意してください。

選ぶときに押さえておきたいこと

  • 可変NDは公称レンジの端を使わない。最も濃い側まで回すと、画面に暗いX字のムラが出ることがあります。2〜5段、6〜9段のようにレンジを分けた製品を使い分けると安定します。
  • 屋外の動画なら、まずは4〜6段。晴天下でF2.8前後・1/50秒を保つには5〜6段前後が必要になります。1枚だけ選ぶならND32〜ND64が守備範囲の広い選択です。
  • 色被りは濃いフィルターほど出やすい。特に10段以上では色が転びやすいため、撮影後のホワイトバランス調整を前提にするか、色再現を重視した製品を選んでください。
  • 広角レンズはケラレに注意。フィルター枠が厚いと四隅が暗くなります。焦点距離が短いレンズでは薄枠タイプを選びます。
  • フィルター径はレンズごとにバラバラでいい。最大径に合わせて1枚買い、ステップアップリングで小さいレンズに使い回すと本数を減らせます。
  • ドローンは固定NDが基本。機体重量とジンバルへの負荷を考えると、軽量な固定ND(ND16・ND32あたり)が扱いやすく、撮影中の濃度変化も起きません。
  • 反射を抑えたいならND-PL。水面やガラスの映り込みを消したい場合は、減光と偏光を兼ねたND-PLが1枚で済みます。

記載の数値はISO100を基準としたEV値による計算値です。レンズの透過率や被写体の反射率により実際の適正露出は前後します。